中学生部門 優秀賞

もしも私だったら~拉致問題~

東海大学付属高輪台高等学校・中等部 1年 上田 華凛

私は、普通の中学生。横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された当時の年齢、学年も同じである。中学校に入学して生活にも慣れて、友達も出来て楽しく学校に通っているのに、もし拉致をされたらと考えたが、想像がつかない。「行ってきます」が最後の言葉になるなんて、まずないからだ。

自分の意志とは関係なく、知らない国に知らない人に、何も分からないまま連れて行かれる。大切な家族や友人と引き離されてしまったら、辛すぎて、精神を病んでしまうかもしれない。私の大切な日常が壊されてしまうからだ。

北朝鮮が横田めぐみさん達を拉致した理由を調べると、日本人に身分偽装するためや、完璧な日本人に仕立てるための教育係にするためだと言われている。そのようなことのために、一人の人生を簡単に奪っていいのだろうか。いい訳はない。

世界中の多くの人は、生まれたときから自分らしく生きる権利=「人権」を持っている。これは、一九四八年に宣言された「世界人権宣言」にも明記されている。しかし、拉致事件では、この人権が拉致被害者のみならず、被害者の家族までもが侵害・奪われてしまっている。被害者の命や安全も重要なのだが、家族の自由も奪っているのだ。

北朝鮮拉致問題は、私の世代では知っている人は多くない。以前の私のように、北朝鮮に拉致された人がいるんでしょ?位かもしれない。国家レベルの話なので、他人事になってしまう。でも、今回のアニメ「めぐみ」をきっかけに私にでも出来ることが大きく三つあるのではないかと考えた。一つ目は、署名活動に参加することや、身近な友人と話すこと。アニメをユーチューブで見たので、休み時間に友人と観ることもいいかもしれない。それなら、すぐに出来る。

二つ目は、正しい情報を選び、知っていくこと。普段の生活に生かすこと。人権が当たり前に認められているこの国で育っているからこそ、その内容をもう一度勉強したい。勉強をすることで、北朝鮮に住む方に対し、勝手に憎悪や偏見を持たないようになるかもしれない。もしかしたら彼らも人権を奪われているかもしれないからだ。

三つ目は、一刻も早く拉致問題が解決して笑顔が増えることを願い続けること。

私のような中学生が出来ることなんて、たかが知れているかもしれない。けれど、これを続けて過ごし、自分が母親になったら自分の子供に伝えていきたいと思う。